第314話エミリーは私を嫌っている!

「男でもいいじゃない!」

エミリーは思わず口走った。

言ってしまってから、相手がダニエルだと気づいた!

この数日、カイアが彼女にちょっと特別な本を貸してくれたせいだ。別に興味があるわけでもないのに、なんとなく何章かパラパラとめくってしまった。

そのせいで、妙な概念が頭にこびりついてしまったのだ。

あれを書いた作者が悪い。文章がやたらとうまくて、彼女でさえ「男同士の恋愛も案外いいかもしれない」などと考えてしまうくらいなのだから。

「……何だって?」

ダニエルは目をわずかに細め、危うい気配をにじませてエミリーを見た。

エミリーは慌てて撤回する。「な、何でもない! カイアに聞いた小説...

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